📗『終末のフール』 伊坂幸太郎
あと3年、生きて何をする?
8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する、と言われてから5年が過ぎたころのお話。
どうせ死ぬんだから、と自暴自棄になった人たちはいなくなり、平和を取り戻しているかのように見える日々の中で、残ったあと3年をどのように生きていくのか?
少しずつつながった8編の物語は、生きる意味を様々な方向から考えさせてくれます。大切な人を失ってもなお、最後の日まで生きて行こうとする人達にしなやかさと強さを感じます🌎
赤ちゃんを産むべきかどうか悩む夫婦。
過去の出来事に復讐をしに行く兄弟。
レンタルビデオ屋さんを続ける男。
そしてこの状況が「すげえ、幸せ」だという男の話。彼には重病の子供がいて、未来を悲観していたのです。長く生きて行くことが辛い人にとっては、心配があと3年でいいとなると幸せに変わる皮肉も感じます。
悲しい出来事が続くのに悲壮感はあまりなく進んでいく物語に、もしかしたらこのまま世界は終わらないんじゃない?とも思えてくる😲
自分の生きる信念を考えるきかっけになります。
(☆おやつ りんごのワッフル&紅茶 安定のおいしさ)
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📗『線は僕を描く』 砥上裕將
自然も人間も すべてに通じる 水墨画の世界
水墨画。全く知らない世界でした。
墨のすり方で線が違ってくること。無造作にみえる一本の線をひたすら書き続けて練習すること。そして技術だけではない、力を抜くことの大切さ、自然と繋がるということ🖌
霜介は両親を突然事故で失い、経済的には不自由もなく暮らせているが、心は空っぽのまま日々すごしている。水墨画家、湖山先生との出会い、生きる意味を探しながら筆をにぎる。来る日も来る日も、食べることも忘れるくらいに。
出来上がる作品は高い技術でできたものではないけれど、「意味」を持つ素晴らしいもので人々の心をとらえる。それは誰にでもできるものではない。
霜介が自分を取り戻していく姿に胸を打たれ、湖山先生の少ない言葉の端々にすべてに通じる深い真実を感じました。
(☆おやつ ユニコーンの涙 あまーい☺)
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漫画にもなってます📗
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アデリアレトロ☆彡
📗『ロボット・イン・ザ・ガーデン』デボラインストール
とにかくロボットのタングが可愛い💕大きな謎も
街ではAIロボットが人間さながら働いている世界のお話。
突然、何処からかベンの家の庭にやってきた古いロボット。最新のAIロボットのようには役に立たず、ただ馬を見てはしゃいだり、何かあるとすぐに「ベン~!」と叫んだり。
働かず引きこもりを続けているベンは〝タング‘’と自ら名乗るロボットにかかりっきりです。ベンと言い争いばかりで愛想を尽かした妻のエイミーは出ていってしまう。
タングはとても古く、壊れていて直し方が分からない。
どうにかして直してもらうために、ベンはタングに書かれていた‘’所有者B‘’を探す一大決心をし、2人(1人+1台)は世界へ飛び出していきます。
イギリスからカルフォルニア、ヒューストン、日本、そしてパラオへ
そして遂に‘’B‘’にたどり着くのですが、タングはどうして造られたのか、そしてタングがその場所から離れたことには深い理由があり‥たくさんの秘密が明らかになります👀
タングは他のAIロボットと違って学習して言葉を覚えていきます。まるで子供のようで嘘をついたりもします😁ベンに懐いて一生懸命についていく姿が可愛くて健気で、欲しくなっちゃいます😃
少し前に『弱いロボット』というのが話題になりましたが、ロボットのニーズは仕事を正確にこなす事だけでなく、実は、何もできない、というところにもあるのかもしれないと実感しました。
cafe☕ HANABAR(ハナバー)
📗『夜に星を放つ』 窪美澄
大切な誰かが去って行っても また上を向く
星座をキーポイントにした5つの輝く短編集。
少しだけ歯車がずれたら、みんな幸せになれるのに。と歯痒く感じてしまう物語たちです。
その中の1つ『湿りの海』は、妻と子供に出ていかれた中年男性のお話なのですが、私世代には一番リアリティがあって「あちゃー」と思いながら読み、最後の2行がやけに身にしみました。
みんな一生懸命なのにどうしてうまくいかないのかな😞と切なくなります。人間は合理的にはできていないから。気持ちが動く方向へ動いていく。
だから選択を間違える。
でも、間違えるって、何に対して間違えるのだろう?
人間関係を築いては壊れて、
また築き直して、壊れて、そうやって生きていく。
自分が置かれた理不尽な環境の中で、登場人物たちが下を向いていないことが印象的😊星を見上げているからかな。
どんな状況でも大丈夫、また出会いがあるよ、と言われている感じでした。
(☆ おやつ ブルトンヌ フィナンシェ)
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📗『舟を編む』三浦しをん
辞書に賭ける15年の月日の重みに感動!
なんとなく固くて難しいお話かと思ってましたが、辞書作りに携る人たちの人間味溢れる物語でした。
『大渡海』という辞書の海を渡る舟を編む、15年間の足跡。15年‥なんて地道で時間がかかる仕事なんでしょう!
辞書編集部に引き抜かれた馬締(まじめ)は変わり者だか憎めなくて個性的。趣味は「エスカレーターに乗る人々を見ること」理由がまた面白くて笑ってしまいます😁
定年間近のベテラン編集者。
日本語研究に文字通り命をかける学者。
とにかくノリが軽い同僚。
キラキラの女性雑誌編集部から異動してきた後輩。
そして馬締が恋する女性🙂
途方にくれそうな辞書作りの過程は、「なるほど〜」と、「えっこんなことも?!」の繰り返しです。
また、いつも使っている言葉についても考えさせられます。
「恋愛」の定義とは?「男」とは?「女」とは? うーん言葉で説明するって難しい🤫
『なにかを生みだすためには言葉がいる』
物語の途中に書かれたこの文に感慨深くなります。言葉は、人を傷つけることも幸せにすることもできる。何か考える時も言葉を使う。
この本を読み終わってすぐに思ったことは、辞書を買わなくちゃ!でした📗
(☆おやつ☆クリームソーダグミ)